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お客様よりご質問の多い事例をまとめました

A. 水を使わないことから『ドライ』と呼ばれます。ドライクリーニングは、揮発油のような石油系溶剤を使用します。この溶剤は油を溶かす力や乾燥の温度など、条件がそれぞれ違うため、品物にあわせて洗う時間、乾燥方法、などを変えてクリーニングしています。

A. 水洗いに比べると次のような特徴があります。

長所 
・体から分泌される油分などの油性汚れがよく落ちます。
・型崩れや縮みが起こりにくい
・生地の風合いが変化しにくい
・色落ちしにくい
・繊維をいためにくい

短所
・汗などの水溶性汚れがおちにくい
・飾りボタンなどの付属品が、溶けたり変色したりすることがある

A. それぞれ、素材によって次のような理由があります。

綿、麻、絹などの場合
これらの糸は水の中では膨らみ糸が太くなる為、それと交差する糸がその分大きく波打ち、その結果 生地が縮むことになります。またニットや布地は引張られた状態で製品化されていることがおおいため、元に戻ろうとして縮みます。ところが、ドライクリーニング溶剤中では糸が膨らみませんので、このような縮みは起こりません。
羊毛の繊維は、私たちの髪の毛のキューティクルと同じようにウロコ状になっています。水の中では羊毛繊維が膨らみウロコがひらき、その状態で、もまれると繊維がからみあって徐々に目がつまって縮んでしまいます。これをフェルト収縮(縮絨)といいます。
ところが、ドライクリーニング溶剤中ではウロコがひらきませんので、このような縮みは起こりません。

A. 衣類カバー  そのままの保管はカビの原因になります。

仕上がった衣類のビニールカバー、ついそのまま使ってしまいがちです、でも、これは保管する際には好ましくはありません。ビニールカバーは保管用ではなく、仕上がったものを汚さずにお持ち帰りいただくための包装です。かけたまま収納すると湿気がこもり、カビが生えやすい条件を作ってしまうことがあります。また、ビニールカバーの中の水分によって、衣類が変色することがあります。保管するときは、ビニールカバーをはずし市販の不識布カバーを使うか、防虫カバー(当社でも期間限定で販売しています)をかけておくことをおすすめします。

A. 次のような理由で入れた方が安全です。

虫に狙われやすいのは、ウールやシルク、毛皮など動物性繊維ですが、食べこぼしがあると綿、麻などの植物性繊維や合成繊維も被害にあうことがあります。最近では夏物でもサマーウールやシルク混毛など、害虫の好む素材のものも多いので、1年中防虫剤、防虫カバーが必要です。

A. 基本的には次のような応急手当までとし、信頼の出来る専門家に依頼する方が賢明です。

絶対にこすらないこと(生地が毛羽立ち、白っぽくなります)、
アイロンやドライヤーなどで、熱をかけないこと(シミがとれにくくなります)。

A. クリーニング店の過失により損傷・紛失などの事故が起きた場合、『クリーニング事故賠償基準』によって賠償させていただきます。

A. 衣類以外のもの、衣類の状態によりお預かりできないものもございます。

(例)ペットの毛や糞尿の付着したもの・嘔吐物や血液が付着したもの・濡れた状態のもの・下着類・ぬいぐるみ類・カバン類など

またお預かり時、お預かり後に洗浄不可と判断し、クリーニングをお断りする場合もございます。

   

家庭で起きる衣類のトラブル

ポリステル、ナイロンなどの低融点の素材に発生しやすいのがタバコなどの熱による損傷です。タバコを吸わない人も、すれ違いざまに歩きタバコの影響を受けることがあります。また、灰が落ちたときなどに穴あきの損傷を受けることがあります。

植物系の繊維製品は、染料が汗の影響を受けやすく、汗や日光による退色が起こります。汗のつきやすい衿周りや肩、背中、脇などを特に注意する必要があります。また、色の種類によっても、紫、青、赤、緑、黄の順に変退色しやすく、濃い色ほど変退色の差が目立ちます。クリーニングに出す前は見落としがちですが、クリーニングによって、変退色した部分が目立つようになってしまいます。衿のついている製品の衿を裏返すだけで、日焼けしていない元の色と比較確認できます。

紫外線白い衣類のほとんどは、蛍光増白剤という染料で染められています。この蛍光増白剤は、長時間紫外線にさらされると黄みがかってくるという性質があります。また、繊維本来の性質としての紫外線によって、黄ばんでしまうという性質もあります。白い紙が黄色くなるのと同じです。特に絹製品は紫外線の影響を受けやすく、黄ばみやすい性質があるのです。紫外線の影響を受けにくい衿裏と比較してみましょう。

ポリウレタン樹脂は、生地の表面に塗られ(コーティング)合成皮革製品として主に使われています。ポリウレタン樹脂は、紫外線や水分によって分解(加水分解)するという性質があり、保管や手入れの状態にもよりますが、3年から5年で剥がれたりボロボロになったりします。
クリーニング以前に、剥がれたりボロボロになっていなくても、すでに経時劣化している場合、クリーニング作業工程によって、剥がれ落ちてしまうこともあります。衿周りやヒジなどの関節部分を見てください。水泡のような泡状のふくらみがあれば剥がれが始まっている証拠です。

 

化粧品化粧品は複雑な化学薬品が組み合わされています。これが、衣類に付着すると、素材や染料に意外な影響を与えることがあります。

パーマ液
パーマ液の主成分は、1液が還元剤、2液が酸化剤です。還元剤が綿や麻素材などに付くと、クリーニングの乾燥工程やプレスなどの加熱でより激しい変色が起きます。衿周り、特に背中側に多く見られます。

香水
香水の主成分は、アルコールです。アセテート製品の染色はアルコールによって溶けることがあります。衿周り前側に多く見られます。

除光液
マニキュアの除光液は、アセテート繊維を溶かしてしまいます。シミ状に硬くなったり、ガムが付いているように見える部分ができます。

ヘアムース
ヘアムースの中には、髪を固める樹脂剤が含まれています。これが、生地に付着すると取れにくくなり、汚れが接着して黒い斑点になります。特にワイシャツの襟周り前後に多く見られます。

次亜塩素や塩酸、硫酸などの薬品も、日常生活の中にあります。塩素や硫酸などは、綿、麻、レーヨン、テンセル、アセテートなどの植物系繊維に穴をあけてしまいます。

カビ取剤・台所用漂白剤
カビ取剤、台所用洗浄剤、洗濯用塩素系漂白剤の成分のひとつに、次亜塩素ナトリウムがあります。この薬剤は植物系繊維製品などの染色を退色させる性質があります。しぶき状の色抜けや斑点状の変色になる場合があります。

トイレ用洗浄剤
サンポール(キンチョウ)、シャット(ジョンソン)、トイレマジックリン(花王)などのトイレ用洗剤には、強酸である塩酸が配合されています。
塩酸が植物系の繊維に付着すると、繊維を酸化変色させてしまい、穴があくほどのダメージを与えることがあります。また、ポリエステル混製品の場合、生地が溶けて半透明になったように見える場合もあります。

着用疲労もし人間が裸で暮らしていたら、体中に擦り傷引っかき傷などが絶えないはずです。そのかわり、衣類が擦り減ったり、ほつれたりして体を保護しています。

ワイシャツ
ワイシャツは、繰り返し長時間にわたって着用される実用的な衣類です。細番手高級ブロード品ほどスレに弱く、襟周り、剣先、袖口、ヒジに注意。洗濯行程で弱った部分がほつれたり破れることがあります。

絹・麻・テンセル製品の白化毛羽立ち
絹、麻、テンセル製品は繊維の構造から、スレるとより細かい繊維に分裂します。特に濃色の製品は、油汚れが落ちると一層毛羽立って白っぽくなります。ヒジやポケット周り、ズボンなら太もも部分などにスジ状に発生することがあります。

毛玉(ピリング)の発生
カシミヤやラムウールなど、細く柔らかい繊維製品は毛羽立ちやすく、すれると毛玉が発生しがちです。編物、織物にかかわらず、獣毛繊維一般に毛羽立った後、毛玉が発生します。

ネクタイの損傷
ネクタイのほとんどは絹製品で、スレに弱く特定の部分だけがすれて、柄が擦り切れたり、穴があいたります。スレは、絵柄を浮き立たせるタテ糸が最初に損傷します。上着のラベル(衿)と接触する部分に注意が必要です。クリーニングで、擦れた繊維くずが脱落して穴があきます。

害虫が噛み荒らした繊維くずを洗い落とすため、目立たなかった穴も、クリーニング後、目立ちやすくなります。
以下の特徴があります。

(1)素材が毛や絹などのタンパク質繊維である。
(2)食べられてしまうことから、繊維が消失している。
(3)被害が芯地にまで及んでいない。
(4)繊維の消失が不規則に発生している(ハサミなどの場合は繊維の切断面が規則的に並ぶ)
(5)電子望遠鏡で観察すると、スプーン状の歯型が見られる。

羊毛、カシミヤ、モヘヤ、アンゴラ、絹、皮革製品などの動物性タンパク質繊維は、繊維自体が養分となるため、汚れの有無にかかわらず、室温15℃以上で、通気性が悪く湿度の高い状態で保管していると、害虫が好んで食べることになります。衣類に付く害虫は、カツオブシムシ類の幼虫、イガ(衣蛾)の幼虫などですが、まれにゴキブリも虫害を起こします。

カビは、一定の湿度と温度によってタンパク質やデンプンなどを養分として繁殖します。特に、クリーニング後にポリ袋などに入れたまま保管したり、通気性の悪いクローゼットで保管していると、湿気が停滞する状態になり、梅雨時期など結露することがあります。そしてカビの繁殖を促すことになります。色々な色のカビがあり、一見すると黄色や青のシミのように見える場合があります。染料を分解し変色させることもあります。
大切な衣類は定期的な虫干などの風乾をしましょう。

この事故の特徴は、保管中に折りたたまれていた折り目に沿って、ガスの触れやすい部分だけに変色が見られることで、全体を広げたときに、帯状の変色が見えれば、ストーブや湯沸かし器などによる酸化窒素ガスや亜硫酸ガスが原因と考えられます。また、コートやジャケットなどクローゼットにつるして収納するものは、ドア側の肩口から袖にかけて外側が帯状に変退色します。素材としては、アセテート、ナイロン、綿、麻などの淡色系の繊維製品で、ガスとともに湿気もその原因となるので、収納中の湿度管理や虫干しなどをする必要があります。

自動車やバイク、ボートなどに使われているバッテリーの液体は、希硫酸という強酸。衣類に付着すると穴をあけてしまいます。ドライクリーニングでは落ちにくく、乾燥などの過熱行程で、穴があいてしまうことがあります。
濡れたようなシミ、また黄変して多少硬くなったシミは、揉んでみて、穴があけば強酸の影響です。

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